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SUS304とSUS316の違いとは?耐食性・価格・加工性・用途を比較

3 日前
読了時間: 6分

SUS304とSUS316の違いとは?耐食性・価格・加工性・用途を比較


SUS304とSUS316の違い

ステンレス製の部品を製作する際、「SUS304とSUS316のどちらを選べばよいのか」と迷ったことはありませんか?


どちらも製造業で広く使用されているステンレス鋼ですが、耐食性や材料価格、適した使用環境には違いがあります。


特に、屋外設備や水回り、薬品を扱う装置などでは、材質選定が製品の寿命やメンテナンスコストに影響します。


この記事では、SUS304とSUS316の特徴を比較し、加工部品を発注する際に押さえておきたいポイントを解説します。


1. SUS304とSUS316の基本的な違い

SUS304とSUS316は、どちらもオーステナイト系ステンレス鋼に分類されます。


最大の違いは、SUS316にはモリブデン(Mo)が添加されていることです。


モリブデンは、特に塩化物を含む環境で発生する孔食(局部的に穴が開く腐食)への抵抗性を高める働きがあります。


比較項目

SUS304

SUS316

主な成分の特徴

クロム・ニッケル系

クロム・ニッケル・モリブデン系

耐食性

一般環境で良好

塩化物環境で比較的優れる

機械的強度

一般的な構造部品に対応

SUS304と大きな差はない

材料価格

比較的安価

一般にSUS304より高価

切削加工

加工硬化に注意

同様に加工硬化に注意

主な用途

一般機械部品、厨房設備、建築部材

化学設備、水処理設備、耐食性を求める部品

つまり、SUS316はSUS304の単純な上位互換ではありません。使用環境に必要な耐食性とコストのバランスで選ぶことが重要です。


2. 耐食性の違い|SUS316が選ばれる理由

ステンレスがさびにくいのは、表面に形成される薄い不働態皮膜によるものです。


SUS316はモリブデンを含むため、SUS304よりも孔食やすきま腐食に対して有利な場合があります。


例えば、次のような環境ではSUS316を検討する価値があります。

  • 塩分を含む水や飛沫に接する設備

  • 洗浄液や薬品を扱う装置

  • 水分や汚れがすき間に残りやすい部品

  • 一般的なステンレスでは腐食が懸念される環境


ただし、SUS316でも腐食は発生します。


特に、海水に長期間浸かる場合や、高温で塩化物濃度が高い場合には、SUS316でも十分な耐食性を確保できないことがあります。


材質選定では、単に「水に触れるか」だけでなく、塩化物濃度、温度、薬品の種類、洗浄条件などを確認することが大切です。


3. 価格の違い|SUS316はなぜ高い?

一般的に、SUS316はSUS304より材料価格が高くなる傾向があります。


その主な理由は、モリブデンなどの合金元素を含むことです。


ただし、製作費は材料価格だけでは決まりません。


実際の加工見積もりでは、以下の条件も影響します。


  • 材料の形状やサイズ、調達数量

  • 切削・穴あけ・溶接などの加工工程

  • 寸法公差や表面粗さ

  • 加工数量と段取り回数

  • 研磨や表面処理などの仕上げ条件


例えば、耐食性が十分に確保できる一般環境であれば、SUS304を選ぶことで材料費を抑えられる可能性があります。


一方、腐食による交換や設備停止のリスクが高い場所では、初期費用が高くてもSUS316を採用した方が、長期的なコストを抑えられる場合があります。


重要なのは、材料単価だけではなく、使用期間全体でのコストを考えることです。


4. 切削加工のしやすさに違いはある?

SUS304とSUS316は、いずれも切削時の加工硬化や工具摩耗に注意が必要な材質です。

切削加工では、次のような課題が発生することがあります。


加工硬化

切削による変形で材料表面が硬くなり、工具への負荷が増える場合があります。


切りくず処理

切りくずが長くつながりやすく、工具や製品に絡むことがあります。


熱と工具摩耗

切削条件によっては加工熱が集中し、工具寿命や仕上がり面に影響します。


SUS316はSUS304より加工しにくいと扱われることもありますが、実際の難易度は材料の状態、工具、加工方法、製品形状によって変わります。


そのため、材質だけで加工費を判断せず、図面と数量をもとに見積もることが重要です。


5. 用途別|SUS304とSUS316の選び方


一般的な機械部品・屋内設備


通常の屋内環境で使用するブラケット、カバー、架台などでは、SUS304が有力な選択肢です。

必要な耐食性を満たすのであれば、SUS316を指定する必要がないケースもあります。


食品製造設備・洗浄設備

食品製造設備では、SUS304とSUS316の両方が使用されます。

選定時には、洗浄薬品の種類や濃度、洗浄温度、塩分の有無などを確認する必要があります。


化学設備・水処理設備

薬品や塩化物を含む液体に接する部品では、SUS316を検討することがあります。

ただし、薬品の種類や濃度によっては、さらに耐食性の高い材質が必要になる場合があります。


海沿いの設備・屋外設備

海岸に近い場所では、飛来塩分による腐食リスクが高まります。

SUS316はSUS304より有利な場合がありますが、海水への常時接触など厳しい条件では、別の材質も含めた検討が必要です。


6. 加工部品を発注する前に確認したい5つのポイント


SUS304とSUS316の選定に迷った場合は、加工会社に相談する前に次の情報を整理しておくとスムーズです。


  1. 使用環境:屋内・屋外、水や塩分への接触の有無

  2. 使用温度:常温か、高温・低温環境か

  3. 接触する液体や薬品:種類、濃度、洗浄方法

  4. 製品の仕様:図面、寸法、公差、表面仕上げ

  5. 製作条件:数量、希望納期、予算


図面にSUS316と指定されていても、使用環境によってはSUS304で十分な場合があります。


ただし、材質変更は製品の性能や安全性に影響するため、必ず設計担当者や発注元の承認を得て判断する必要があります。


7. SUS304とSUS316に関するよくある質問


Q. SUS316は絶対にさびませんか?


いいえ。SUS316も使用環境によっては腐食します。特に塩化物濃度や温度が高い環境では注意が必要です。


Q. SUS304とSUS316では、どちらが強いですか?


一般的な機械的強度には大きな差がないため、強度だけを理由にSUS316を選ぶ必要があるとは限りません。実際には材料規格や使用条件に基づいて確認します。


Q. SUS316の方が加工費も高くなりますか?


材料費は高くなる傾向がありますが、加工費の差は製品形状、数量、加工条件などによります。図面に基づく個別見積もりが必要です。


Q. SUS316Lとの違いは何ですか?

SUS316LはSUS316より炭素含有量を低く抑えた材質です。溶接部の耐粒界腐食性が求められる場合などに検討されます。


まとめ|材質選定は使用環境と加工コストのバランスが重要


SUS304とSUS316の大きな違いは、モリブデンの有無による耐食性の差です。


一般的な使用環境ではSUS304が適している場合が多く、塩分や薬品などによる腐食が懸念される環境ではSUS316が候補になります。


ただし、SUS316がすべての環境で最適とは限りません。


製品の使用環境・必要な性能・加工費・材料費を総合的に考え、適切な材質を選定することが重要です。


ステンレス部品の加工・材質選定のご相談はMS鋼機へ

MS鋼機では、国内約100社の協力企業ネットワークを活用し、金属加工・精密部品製作に関するご相談に対応しています。


SUS304・SUS316などのステンレス部品についても、図面や数量、希望納期などを確認し、加工方法や製作先をご提案します。


試作品から量産品まで、加工先をお探しの方はお気軽にお問い合わせください。



※本記事は一般的な材質特性を解説したものです。実際の材質選定は、使用環境や適用規格、設計条件を確認して行ってください。

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